夢また夢
□湯冷めにご注意
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しばらく温風を当てていると、だいぶ乾いてきた。
「高遠さんの髪ってさらさら〜」
紅朱は、高遠の髪を手櫛で梳かして整える。
「高遠さん、乾きましたよー……ってあれ?」
高遠はいつの間にか眠ってしまったようだ。
目を閉じ、寝息を立てている。
紅朱は毛布を持ってきて、彼にそっとかける。
そして、しばらくの間高遠の寝顔を眺めていた。
「疲れてたのかな?
ねぇ、高遠さん。大好きだよ」
そう言って、紅朱は高遠の頬にそっとキスをした。
すると…
「頬よりも、唇にしてもらいたかったのですがね」
眠っていたはずの高遠が目を覚まし、はたと目が合う。
「え、あ、ぇ…た、高遠さん!?」
紅朱の顔は、一気に赤くなる。
そんな彼女の頬に手を添えて、顔を近づけた。
「紅朱、私の目を見なさい。そして、もう一度言ってください」
金色の瞳に見つめられ、息を呑む紅朱。そして
「……高遠さん、大好き!!」
そう言って、紅朱は高遠の唇に一瞬のキスをした。
「私もですよ。愛してます。紅朱」
高遠は紅朱の額から瞼、瞼から頬にキスをする。
そして最後に唇を重ねた。
お風呂上がりのひととき。
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