夢また夢

□微睡む
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高遠の手はしっかりと紅朱を抱きしめていた。


「…ん……紅朱…」

高遠が寝言で紅朱を呼ぶと、彼女は微笑み彼を見つめた。

「なんですか?高遠さん」

「…紅朱……ん?」

高遠の瞼が上がる。
どうやら目を覚ましたようだ。

「おはよう。高遠さん。よく眠れた?」

にっこりと笑う紅朱。

「あぁ、……すっかり眠ってしまいました」

高遠はゆっくりと起き上がると、紅朱に寄りかかった。

「どうしたの?高遠さん。
まだ眠いの?」

「…いえ…ただ、もう少しだけ。このまま」

「うん。分かった。じゃあわたしも」

そう言って紅朱も、高遠に寄り添う。

「ふふ…高遠さん」

「何ですか?紅朱」

「わたし、高遠さんのことが大好き」

「ありがとうございます。私も好きです。いえ、愛してます。紅朱」

高遠は紅朱にキスをする。優しく触れるキス。

二人は抱きしめ合い口づけを交わす。

「んん……」

「……ん、……は…」

ゆっくりと互いの唇を味わう。

そして、ゆっくりと唇を離し、二人は微笑み合う。

「ねぇ。今度はわたしから、キス、していい?遙一さん」

「っ……ええ。もちろん」



二人は甘い空気に包まれて、幸せを堪能するのであった。



end-
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