夢また夢
□旅情
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「温泉なんてすごい久しぶり。それに高遠さんと二人で旅行なんて、夢みたい」
三日経って二人は、とある温泉街に来ていた。
「夢なんかじゃないですよ。さぁ、旅館の方に行きましょうか」
そう言って高遠は紅朱の手を取り指を絡めた。
それだけで紅朱の足取りは軽くなる。
たどり着いた旅館は、見るからに由緒正しそうな立派な雰囲気の建物だった。
客室も広く、窓から見える景色もまるで絵葉書のようにきれいだ。
「すごーい!高遠さん、ありがとう!!」
紅朱は窓の外を眺めて感嘆の声をもらした。
「喜んでもらえて何よりです。
そうだ、紅朱。少し疲れたでしょう?温泉に行ってきてはどうですか?」
「うん!行く行く!高遠さんは?」
「私は少し部屋でゆっくりしてますから。どうぞ行ってきてください」
「はーい。じゃあ行ってきまーす」
紅朱は風呂に行く準備をして部屋を出た。
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