短編

□9月4日
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ある日の朝

清々しく太陽が顔を出して、屯所内を照らしていた。


『あ…近藤さん』


私は近藤さんの姿を見掛けて駆け寄った。


「おはよう!」


『おはようございます』


近藤さんの大きく笑うその表情はとても居心地がよくて、こっちまで、思わず笑ってしまう。


「ヤッパリ君は笑顔がいいな!」


『え…!?』


「ははははは!」


近藤さんの何気ない言葉で、私は鼓動は一瞬早くなってしまった。

どうしてかな?

近藤さんとあの人は、見た目が全然違うのに

何故か同じ雰囲気を感じる


『あ、あの…近藤さん…』


「ん?」


今日は貴方にとって特別な日だから、一番に言いたいな

なんて思ってみた


「あのね…お、お「近藤さーん!」…!?」


言いかけた言葉をかき消すように、総悟君が現われた。


「近藤さん」


「局長!」


「局長ー!」


土方さん、山崎君と、次々に隊士達が、近藤さんの周りに集まってきた。


「な、なんだ?どうした?お前ら?」


「近藤さん」


「「「「誕生日おめでとう!」」」」



おめでとう!

おめでとう!

と、次々に飛び交う、お祝いの言葉


それを聞いた近藤さんは目を潤ませながら


「お前らー!!」


わー!!と、泣き始めた


凄く微笑ましい光景

皆に本当に慕われてるんだな

でも、寂しいな

私は、あの人達からみから蚊帳の外で

でも、それは仕方ないことで

あの人達は昔から一緒にいた

昔から共に戦ってきた

仲間

家族

なのだから

私は、その人達の中に入れる訳がないもんね

私は"ここ"の人間じゃないもんね…

真撰組の

この世界の

仕方ないか

また、ゆっくりした時にでも言おうかな…


隊士達が集まっている中を少し離れた場所から見て

私は、その場をあとにした


しようと、思ったけど…


不意に腕を掴まれていた


温かい大きな手で


『え…?』


「すまん!何か言おうとしてなかったか!?」


『あ…え…?』


「ん?なんだったんだ?」


覗き込む様に私の顔を見て、ニッと笑った

その貴方の雰囲気がとても好きで

せっかく、後にって思ってたのに


『近藤さん、お誕生日おめでとうございます!』


自然に言葉が出てしまった

貴方が褒めてくれた笑顔で


「ありがとう!」


満面の笑みで、私の頭をワシワシと撫でた

それが、とても居心地がいい

今日は宴会だ!と、騒ぐ隊士達

それに土方さんや総悟君が近藤さんを連れて行こうとする


「早く!行くよ!」


土方さんと沖田君を待たせて、近藤さんは私に手を伸ばした。


「さっ!」


その手に、私は手を伸ばした


『はい…!』


そして、その手を取った


皆 家族だ!


そう、言ってくれる貴方

私も入れてくれるんですね



ありがとう



今日は貴方が生まれた特別日

生まれてくれて、私と出会ってくれて

ありがとう!







_____________
9月4日は近藤さんの誕生日!!

桂さんって何気に近藤さんと良くかち合いますよね?だから銀さんと土方さんの様に、似たもの同士なんだような?って思いました。
ので、近藤さん寄りの様な、違うような微妙なのを一つ…


月沈むの番外編でした!!

駄文ですいません!!

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