メイドさんと一緒

□似てる言葉には気をつけろ
2ページ/7ページ




「よォ。何やってんだよお前。」




「掃除です。見てわかりませんか晋助さん。」



手に持った箒でこれ見よがしに落ち葉を掃きながら
私は声のするほうへ振り返った。



「クク。箒がよく似合うじゃねェか。」



どうゆう意味だコラ。




その言葉にムスっとしていると
急にヒンヤリと感触が頬を襲う。


「拗ねんじゃねェ。いい意味で。だ。」


「いひゃい!!」



どこの国に箒が似合うって言われて喜ぶ女の子がいるんですかね??



「クク。変な顔だなオイ。」


摘んだ頬をうにうにと動かしながら
晋助さんはさもおかしそうに笑う。


「いい加減はにゃしてくだしゃい。」


ぱっと冷たい手が離れる。


離れ際その指に少しだけ見惚れたのは内緒。


「見惚れてんじゃねぇよ。」


げっ、バレてる。


「まァ、今日はおめェのために早く帰ってきたようなもんだからな。飯まずかったら殺すからな?」




私のため・・・?
ってゆうか語尾が物騒なんですけど。
疑問系と見せかけて、断定なんですけど。
晋助さんが言うと洒落になってないんですけど。



そんな物騒な語尾のおかげで
最初の言葉などすっかり忘れ
ひらひらと手を振りながら屋敷へ入ってゆく晋助さんの背中を見送った。



ここの屋敷にいるのはそう
サンタなんかじゃない。









サタン
だ。




.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ