百四小説 1
□生徒×教師
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「ん?」
俺は、廊下からふと自分のクラスを覗き疑問符を浮かべた。
全員帰ったと思っていた教室に一人だけ生徒が残っている。
机に突っ伏して、寝ているようだった。
あの席は…。
教室に入って確認すると、やはり百目鬼だった。
疲れているのか、俺の気配にも気付かずに寝息をたてている。
俺はその席より二つ後ろに座ると職員室で書こうと思っていた日誌を広げた。
そばにいればアヤカシは寄ってこない。
それに、悔しいけどこいつの近くにいると…なんだか安心する。
ひとつ息を吐いて日誌を書き始めた。
***
20分ほどで書き終えて、日誌を閉じて立ち上がる。
百目鬼を起こして帰るとしよう。
「うぉーい。百目鬼起きろ〜」
ほっぺを指でつついてみる。
お。意外と柔らかい。
あれ?でも、なんか熱いような…。
百目鬼の顔を覗き見れば、額には大粒の汗が浮かんでいる。
よくよく見ると顔が紅い。
まさか。
首筋に手を当てるとやはり熱い。
こいつ、熱が…。
「っおい!百目鬼起きろ!!」
俺は、大声で叫んだ。
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