最終幻想4 連作小説(ED後)
□あしおと
3ページ/3ページ
ふと足音が聞こえて、書類に向かい渋面を作っていたエッジは顔を上げた。
「ちゃんと仕事をしているようだな。王子様」
真向かいの男の顔を見て、エッジは後方に跳び退った。
「な、なんまんだぶ。なんまんだぶ…」
「おい、俺はまだ生きてるぞ」
言われてみれば足がある。足音もあったのだから、当然といえば当然だ。
「おめぇ、やっぱり生きてやがったか!チキショー!」
肩をバシバシ叩かれた。
「リディアは来なかったのか?」
「ちょっと前に来たんだけどよ…尻撫でたら、怒って帰っちまった」
――この二人は相変わらず、というところか。
カインは聞こえよがしに溜め息をついた。
「ところでエッジ、しばらくここに滞在して構わないか?」
「ん、あぁ。水臭ぇこと言うなよ。どのくらいいるんだ?」
「…セシルとローザの怒りが解けるまで、かな」
肩を竦めてカインが言う。
察したエッジが苦笑した。
「長くなりそうだな」
「かもしれん」
◆◆◆
カインの手紙は報告書みたいになりそうだ。
駆け込み寺エブラーナ。