最終幻想4 連作小説(ED後)

□適性審査
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バロン王国には,問題が山積している。
他国に対する戦後補償。
表面化する王と貴族会の対立。
軍備縮小を願う王と軍部の対立。
空軍間の赤い翼と竜騎士隊の対立。

突如として後ろ盾なく君臨することとなったセシル王。
王の陣営に属する者が少なすぎて,王の意向をうまく反映させることができていない。

庶民感覚を持った王の理想と,前王時代に実権を持っていた彼らの理想は平行線だった。
国民に圧倒的人気があることだけは,救いだったろう。


大将が理想を語り,大将が動きやすいように補佐がその手回しをする。
統治者としてセシルが語る理想は,悪くはない。だが,彼を立てるはずの周りの状況が悪すぎた。

政治は王だけでは成り立たない。
今のセシル王は,裸の王様だ。


それが,各地を旅してカインが得たバロンの評価だった。

唯一の手足である枢機卿は,他国と戦後補償の交渉で手一杯。
もちろん,この問題を実質一人で処理する彼は充分優秀だと言えるが,それ以外の手ゴマ不足は否めなかった。

――バロン内部に圧倒的支持がある人間が必要だ。
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