魔法の杖
□Act.1
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7月のある日、急に孤児院の院長先生に呼ばれた。
『院長先生、何スカ?』
院長は深刻そうな顔つきでゆっくりと話し始める。
「あなたの母親の桜もこの孤児院で育ちました。
そして、同じようにこの手紙がここに届きました。」
院長に差し出された手紙は英語で宛名が書かれていた。
その中で目を引いた言葉は……
『ホグワーツ魔法魔術学校?』
という学校名らしいもの。
「はい。
キョウ、あなたは魔女です。」
『…………は?』
目を丸くして驚いているキョウにもう一通の手紙が渡される。
「そして、こちらはあなたの御両親からのお手紙です。
あなたの一族や魔法界について書かれています。」
『……というか、院長先生はその手紙に驚かないの!?
そんで、なんでそんなに詳しいの!?』
キョウの驚いた顔を見て院長先生はクスクスと笑っている。
「だって、私も魔女ですものww」
……はい!?
フリーズしてしまっているキョウを置いて、院長先生は話を進める。
「まぁ私のことは置いといて、来週にはイギリスに来て欲しいそうよ。
向こうで暮らしていた家にいてくれれば迎えが来てくださるそうだから。」
『はぁ…………。』
「さぁさ!
早く準備しなさい。」
と言って、キョウは頭が回っていない状態のまま部屋から追い出された。
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