Brotherhood☆ミ

□ガラスの指輪
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朝瑞は大学を辞めて就職をした。バイトで入り大学を卒業したらここで働きたいと思っていた会社で就職することが出来た。そこの編集長もいい人で教育役に“安堂泰詞”をつけてくれた。口では面倒だと言う彼だが色々なことを教えてくれた。就職してから3か月経つと想真がやらかした“勝手な結婚宣言”も話題から去った。社内でも質問攻めにすることも無くなった。

「ようやく落ち着いたな?」

仕事の整理をしていると泰詞が笑って言った。

「え?…はい…そうですね」

「…どうなの?今は?」

「泰詞さんは相変わらずですね」

「そりゃーな?俺はお前らのことよく知ってますから」

「そうでもなくないですか?」

「そうか?まぁいいじゃん!あ、今日来月のコーナー任されるけど一緒にやるか?」

泰詞がいきなり言う言葉に嬉しくなって飛び突いた。

「します!したいです!!お願いします!!!」

「おっおう!わかったから!ほら、そこ!まだやってないだろ!!!」

「はい!!!」

朝瑞はルンルンしながら仕事を熟した。想真と会えない日々が続いても、仕事という逃げ場所があった。寂しくても仲間が一緒にご飯を食べてくれる。それだけで幸せだと思える。その日の夕方、編集長の部屋に泰詞と一緒に行った。ドキドキしながら編集長と話すと『まだ早くないか?』と言われた。でも泰詞が『経験は早いほうがいいです』と言ってくれた。編集長は渋々コーナーの説明をした。書類をもらい手が痺れた。任されたコーナーはいたって簡単なものだった。一般人からアンケートを取り、まとめて文字を載せる。泰詞はまとめて文字を載せる係りで朝瑞はアンケート係になった。アンケートは前の号でハガキを送ってくれた人のをまとめるというごく簡単なものだった。
でも朝瑞は何のコーナーをするのかよく知らないまま泰詞と編集長室を出て自分たちの席に互い座った。すると隣の先輩がニコニコしながら来た。

「どう?慣れた?」

「いえ…まだ」

「安堂さんと仲いいの?」

「え?仲って言うか…色々教えてもらってるだけですよ?」

「気をつけてね?」

「え?何をですか?」

先輩は耳元で小声で言った。

「安堂さん。面倒見いいけど手出すの早いから」

「え…」

泰詞はそういうタイプには見えなかった。一応頷き話しは流した。泰詞は確かにモテる。コミュニケーション能力は誰よりも凄い。落ち込んだ後輩を立ち直らせる術も先輩を輝かせる術も知っている。彼は上にも立てるし中間管理職もきっとむいてる。そんな彼だ。
朝瑞は書類をひらいた。そこには朝瑞の目が飛び出るような内容が書いてあった。もっとも朝瑞が苦手としていることだった。朝瑞は慌てて泰詞のデスクに行った。

「泰詞さん!!!これ…」

泰詞は腕を組んで考えている様子だった。泰詞は立ち上がり優しく笑ってくれた。

「おう…ちょっと珈琲飲むか?」

「はい…」

ビル内にあるカフェで珈琲を飲みながら泰詞が言う。

「朝瑞は初のコーナーだもんな?キツイよな、これ」

「はい…」

2人で受け持つコーナーは『男女の考え方の違い。セックス編』と言うことだった。

「まぁ…大丈夫だろ?お前も大人なんだし。そだ、今日暇か?」

「え?今日ですか…はい?」

「うんじゃ、ご飯でも食べながら考えよーぜ」


泰詞にそう言われて朝瑞はゆっくり頷いた。会社が終り朝瑞は想真に連絡をいれた。電話は出てくれなかったので仕方なくラインで仕事だと入れておいた。

ー会社が終わると朝瑞は想真と一緒にホテルの中にあるレストランに行った。

「わぁ…こんな高そうなとこで…」

「何言ってんの?そこまで高くないぞ?ほら、入るぞ?」

「え?はい!!!」

綺麗なレストランで泰詞が選ぶご飯を食べた。赤ワインまでいれてくれて仕事の話しなどまともに出来ないぐらい朝瑞は酔っ払った。

「もぉ朝瑞…弱いのか?」

「…弱くないですよー」

「どこがだ…部屋取ったから休んでろ!」

泰詞は部屋に入り朝瑞をベットに寝かせた。すると朝瑞は起き上がった。

「大丈夫ですよー泰詞さん!コーナー!!!どうするんですか?」

「はぁ?あぁ…アンケートをとって…」

「アンケート?誰に?」

「一般人に!!!新入社員の木村にでも頼めば動いてくれるだろ?」

「木村くんを雑用にするんですか!?本人にちゃんと聞いてるんですか!?」

「新人なんだからいいだろ?」

「よくないです!呼びましょ!」

「は!?今!?」

朝瑞は泰詞の忠告も聞かずに木村に電話をいれた。ド新人の木村は朝瑞の『おいでよ』でホテルに来た。

「木村くーん!」

部屋に来た木村は酔っ払いの朝瑞を見て口をあんぐり開けた。

「悪いな、木村」

泰詞が苦笑いで木村を中に入れた。

「いえ…日向さん…どうしたんですか?」

「ちょっとワインを入れすぎたんだ」

「あぁ」

朝瑞はベットの上でまるでトランポリンをするかのようにジャンプをしていた。

「朝瑞ぃ…もう寝ろって…」

「嫌です!!!初のコーナーですもん!」

「お前がやるんじゃない!俺がやるから手伝えって話しなんだ!!!」

そう言うと朝瑞はベットの上に座った。

「わかってますよ!!!でも…嬉しかったんですもん…」

「はいはい…」

泰詞は呆れながら木村にジュースを渡した。木村はお辞儀をしてもらい、朝瑞はベットに横になった。

「泰詞さーん…」

「ん?なに?」

泰詞は優しい顔でベットに座った。

「…想真は頑張ってるんです…」

「?あぁ?」

「私…頑張りたいんです…」

泰詞は優しく頭を撫でた。

「いいんじゃねーか?朝瑞は朝瑞のペースで。俺からすればずっと頑張ってたと思うぞ?もっと自分のこと楽にしてやれよ。言い聞かせて無理やり動かすんじゃなくて、もっと楽にしてやれよ?な?」

泰詞にそう言われて涙が出て来た。優しくしてくれる人はいっぱいいるのに、その優しさに答えようとして無理をしていた自分がいっきに楽になった。

その日は泰詞と木村は帰宅して、朝瑞は泰詞がとってくれたホテルで眠った。

ー朝瑞はアンケートを集計してまとめて泰詞に渡した。

「安堂さん…遅くなって…」

「あぁ…安堂さんって…この間下の名前で呼んでなかった?」

「いや…そうですけど…仕事中なんで…」

「そうか?じゃ…今日集まれるか?木村含め」


「…はい?大丈夫ですよ?」

ニッと笑う彼は少し不気味ではあった。朝瑞は休憩の時に想真に電話を入れた。出ないと思い諦めていると…

「はーい」

「そっ想真!?」

「え?あぁ?なんだよ?俺に電話したんだろ?」

「あ、はい…そうなんだけど…いつもでないから」

「あぁ…ごめん。DVD出すからな…朝瑞…言う暇なかったんだけど…俺さ…明日から撮影でサイパン行くんだ」

「え!?サイパン!?」

「あぁ…だから今日会えないか?」

「今日!?…今日か…」

「何?仕事?」

「うん…コーナーを先輩とやることになって…」

「…そっか。頑張るって決めたもんな。一か月で帰って来るよ?」

「うん…想真…ごめんね?最近会えてないし…」

「嫌?朝瑞が仕事するって決めてから俺はなんとなくわかってたからさ?」

「ありがとう…でもごめん」

「いいって…帰って来たらさ…どっか行こう?」

「うん!!!行きたい!!!」

「おう…どこ行きたいか考えてて?」

「うん…わかった…」

「朝瑞?」

「ん?」

「スマフォにキスして…」

「え?何を!?」

「最近してない…」

「いや、そうだけど…」

「朝瑞ぃ…」

甘える声を出されて仕方なく朝瑞はスマフォに『チュッ』とキスをした。するとすぐに…

「もっかいして…」

「…うん」

何度も女子トイレの個室でキスを落とすと…何度もせがんで来る想真が愛らしい。何度もキスをしていると流石に時間もヤバくなった。

「想真…もう行かなきゃ…」

「…うん。そうだよな…朝瑞…好き」

「うん、アタシも好き」

お互い愛おしくて仕方ない。スマフォを切ってから…朝瑞は社会人になって呑み会などの話しで覚えた…一人エッチをトイレで繰り返した。声を出さないように想真を想い浮かべながら…早く会いたいという気持ちを抱いた。
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