庭球
□hart・rnding
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「雅治っ!」
思い切り扉を開いて彼の名前を呼んだ。
そこには雅治の家族と眠っている雅治の姿。
「##NAME1##ちゃぁぁぁん・・!」
雅治の弟が泣きながら私の名前を呼んだ。
「雅治は?雅治は大丈夫なの!?」
私がそう尋ねると弟は首を横に振った。
「お兄ちゃん死んじゃったんだ、ついさっきに・・・」
どう・・・して?
どうして雅治なの?
こんな現実、受け止められるわけないじゃない・・・
雅治をまだ許してないのに
喧嘩したままお別れなの・・・?
あの笑顔もあの囁きもあのテニスをしている姿も
あの温もりもあの幸せも―
もう感じることが出来ないの?
私があの時素直に許していればこんな結末は迎えなくて済んだ・・・?
私の顔に一筋の雫が流れ、落ちた。
「ごめんねぇ・・!雅治、お願いだからっ許すから!
目を覚ましてよぉ・・・」
そう願っても叫んでみても
雅治が目覚めることは無いというのに。
もし、私が天国へ旅立つ時が来たら・・・
貴方はあの幸せだった日々の時のように笑ってくれますか―・・・?