東方絶対力〜今日から俺が!〜

□一話
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彼女達はもちろん、人間ではない。
妖怪――しかも幽香に至っては[四季のフラワーマスター]と言う異名を持つ程の強力な妖怪なのだ。
なぜ彼女がそう呼ばれているのかと言うと、彼女は[花を操る程度の能力]を持っているからである。
なお、能力の説明は、後ほど説明する事にする(オイ)。
幽香の日課はひまわり畑の中心で全体を見渡し、畑に侵入した人間を追い返す事である。
中には、意地の悪い人間がいたりする。
別にここは幽香の土地という訳ではないのだが、花を粗末に扱う人間が現れるのだ。
それは花を操る力を誇りに思う幽香への冒涜に過ぎず、そういう輩は片っ端から始末して肥料にしてきた。もちろん、これからもそれは変わらない。

「おはよう、みんな。」

幽香はすれ違うひまわりに話しかける。
そうして花畑の中心に向かって――

「…」
「Zzz…」

一馬を見つけた。

(コイツ…
なんでこんな所に…)
「ん…?」

一馬が目を覚まし、のそりと起き上がる。
一際大きな欠伸をした後、幽香に気づいて目を擦って、

「おはよ…」

とだけ言った。

「…」

幽香はとりあえず、唖然とした。
服装から、おそらく外来人であると推測する。
だが、こんな場所に現れたのは初めてだ。

「…綺麗だねぇ。
この花畑。」
「え?」
「アンタ、毎日手入れしてるのか?
スゲェな〜、俺は花をこんなに愛でる人は初めて見た。」「…」

いきなりの賞賛の言葉に、呆気にとられる幽香。
それを、何故ここにいるのか不思議に思っていると捉えた一馬は、聞かれてもいないのに話し始めた。

「…気がついたら森にいてよぉ。
そこで人喰い幼女に襲われたんだよ。
んで闇雲に逃げてたらここに…って、信じるか信じないかは自由だぞ、姉ちゃん。」
「…そう。」
「んで、ここどこだ?
地名を言ってもらえると嬉しいんだが。」
「ここは幻想郷よ。」
「…幻想郷ぉ?」

一馬は首を傾げる。

「そこは日本のどこら辺だ?俺は地理が苦手なんだ。」
「この世界の外よ。
そこが日本。」
「…は?」

一馬は意味がわからないようで、首を傾げ怪訝な目で幽香を見た。

「…その目は気に入らないけど、とりあえず貴方を保護するわ。
家に来なさい。」
「…まぁ、情報が欲しいし、やっかいになります。」


――青年少女移動中…
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