東方絶対力〜今日から俺が!〜

□三話
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「…邪魔をするのかしら?」 「参拝客をみすみす殺すと思う?
馬鹿馬鹿しい、次来てくれるかもしれない人を、見捨てる訳ないじゃない。」
「…そう。
なら、もういいわ。」

そう言って、紫はスキマに消える。
総も紫を追ってスキマに消えた。
スキマさえも消え、一段落した所で、霊夢は首を傾げた。

「ずいぶんとあっさり帰ったわね。」
「そーだねぇ。
あれはなんかあるねぇ。
罠か、あるいは…」
「待ち伏せってかい?
大丈夫じゃないの?
幽香もいるし、魔理沙だっているし。」

魅魔が神社に入って行くのを見て、霊夢も「それもそうね。」と呟いてから神社に向かった。

「…あれ、私空気だ…」

萃香が寂しそうに呟いた。


――


一馬をおぶった幽香は、一馬の出血量が尋常ではない事を知った。

「…すまん。
服が汚れてしまったな。」
「別に、洗えばいいもの。
それより、大丈夫なの?
血、1リットルは出たんじゃない?」
「あいにく、あと一時間しかもたないな。」
「そんだけ話せりゃ大丈夫だろ。」
「そーなのかー…」
「…まぁな。」

一馬の元気さは異常だ。
腹に穴が空いて、身体中が傷だらけでも、声は掠れずにはっきりしている。

「幽香、俺の予想だと待ち伏せでもあるかもしれない。応戦用意を。」
「そうか?
諦めるんじゃないか?」
「確かにその可能性はあるかもしれないが、ただ追って来ないってだけで決めつけるのはよくない。
ただ、あーいう輩は俺と同じで、し〜つこいぜぇ〜?
口喧嘩なら勝てる自信はあるがね。」
「なんなのよ、最後…
まぁ、備えておくのにこした事はないし、別にあまり気にしなくても「左右から来るぞ!
気をつけろ!!」

一馬が叫んだと同時に、幽香が傘を広げる。
魔理沙は三角帽から六角形の箱っぽい何かを取り出した。

「あぶねぇっ!!」

一馬の頬を光弾がかすった。

「顔面を狙ってきやがった…
完全に殺す気だ!!」
「どうする、戦うか!?」
「いや…
相手の姿が見えない以上、戦うのは危険だ。
出来るなら、広い場所におびき寄せる。
無理ならごり押しで逃げる!」
「ここいらには開けた場所なんてないぞ!」
「なら決まりね!」
「俺の事は心配しなくてもいいから、一気に突っ切ってくれ!
頼む!」

スピードを上げて、弾幕をかわす幽香。
魔理沙はグレイズをしながら、時折反撃を加えて逃げる。ルーミアは、スピードが速すぎるため、一馬の背中にしがみついて、弾幕を放っている。
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