東方絶対力〜今日から俺が!〜

□七話
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「「……」」
「…ちょっと?」

途端、二人が走り出した。

「!」
「おいっ!
反射的に逃げちまったけど大丈夫か!?」
「知るか!
お前はとにかく俺がヤバイんだよぉぉ!
命が、ヤバイんだよぉぉぉぉ!!!!」
「知らねーよ!!
つか、一緒に逃げた時点でオレもヤバイんじゃないか!?」
「それこそ知るかぁぁぁ!!俺なんかあれだ、体残らないくらい消滅されるんだ!!あいつ俺と同じくらいドSだから!!」
「どっちにしろ助からないって事か!?」
「そういう事!!」

一馬達が角を曲がった。

「逃がさん!」

幽香が角を曲がると、そこには誰もおらず、積み込まれた荷物があった。

「…」
「…逃げられたようね。」
「そうね…」

雛と共に、歩いて行った。

「…行ったか?」
「ああ。」

積み込まれた荷物の一番前にある樽から、イライジャが頭を覗かせた。

「一馬?」
「ここだ。」

真横から、民間の壁の色になった一馬が現れた。

「Σ気持ち悪っ!!」
「これぞ擬態。」
スーッ
「あ、戻った…」

一馬の肌と服の色が元に戻る。

「この前叩きのめした妖怪が持ってた能力を使ってみたんだよ。
どうよ?」
「た、確かに隠密行動とかには良さそうだけど…
キモいぞ。」
「頭引き裂くぞコノヤロウ。」
「Σゴメンナサイ!!」
「はぁ、しょうがないな。
仕事探しに行って、スッた分稼ごうぜ。」
「そうだな。」
「仕事ならあるわよ?」
「「Σうおわぁぁぁぁぁぁ!?!?!?!?」」

通路に出た所で幽香に話しかけられ、二人は盛大にひっくり返った。
幽香はというと、恐ろしい程怖ぇぇぇぇ!!笑顔をしていた。

「逃げようったってそうはいかないわよ?」
「「は、はい…」」
「とりあえず、この箱を紅魔館にいる人間のメイドに届けなさい。」
「Σい゙い゙い゙い゙い゙い゙!?紅魔館んんんんん!?」
「紅魔館っていやぁ、俺が初めて夢幻館に来た時に見た目に悪い館か。」
「そうよ。
後から私も行く。
だから…」

二人の頭をつかんで、

「話を着けておきなっ!!」
ぶぇん!

ぶん投げた。

「「ぎゃあぁぁぁぁぁぁ……」」
「…大丈夫かしら。
内臓とか破裂しない?」
「大丈夫、今ギャグパートだから。」
「は?」


――青年ぶっ飛び中…


[霧の湖]の中心に位置する、紅で塗り潰された禍々しい館、紅魔館。
恐ろしい吸血鬼と妖怪達が住んでいるのだが、第三次月面戦争後から英雄が住む館として有名になった(ただし、畏怖されている事は変わっていないが)。
そんな紅魔館には、二人の人間が住んでいる。
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