詩集
□SNOW
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「冬の星座が一番好き。」
僕をベランダへ連れ出した君
澄み渡る冬空
今にも星が降ってきそう
月明かりに照らされた二人の影が寄り添う
今年もまた始まりの季節
寒ささえ喜びに変えてくれる
この温もりだけが確かなもので
シーツに埋もれていたい
…朝なんて来なくていい
「真っ白で綺麗。」
子供のようにはしゃぐ君
あまりの輝きに目が眩む
思わず抱きしめた
君が消えてしまいそうで
今年もまた真っ白な季節
雪も溶けるような甘いキスをしよう
この広い世界
二人しかいないような
錯覚に埋もれていたい
…朝なんて来なくていい
降り積もるひとひらの言葉
囁こう 雪のように 深々(しんしん)と
この無垢な世界
君の吐息だけ
帰り道を消してしまいたい
…春なんて来なくていい