詩集

□蝶々
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色褪せている日常
 夜に凍え


建ち並ぶコンクリートの中


手錠をかけられた
両手には何もないと

笑うことも 泣くことも
 自分さえも忘れ


俺は都会を舞う蝶のように
安らげる場所を探し彷徨(さまよ)う


数十億の中で偶然な出会い
色鮮やかに咲く花
この羽を休ませて


重い扉を開き
長い階段を駆け上がる

膝を抱えるだけの 夜を越えて

灰色の街から
抜け出そう



何故 もっと早く
気付かなかった?


君だけが 俺を癒やしてくれる


瞳を閉じると思い出す 優しい笑顔


逢いたいよ
 今なら好きと言える

重い扉を開き
長い階段を駆け上がる

膝を抱えるだけの 夜を越えて

灰色の街から
抜け出そう



見知らぬ人並みかき分け
息を切らし走り続ける


激しい雨に打たれても
 虹が架かるから


冷たい月に震えても 朝が来るから


失う物が多くても
 未来があるから


転んで傷付いても
構わない


君にたどりつくよ
 きっと

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