蝶と蒲公英(中編完結)
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バキィッ!
ガタン!!
「馬鹿者が!!」
高層ビルの一室で、怒号がとんでいた。
「何度言えばわかるんだ!?お前は!
あれほど無闇に手を出すなといっているのに!
今回も金で解決したからいいようなものの!」
おもいきり殴られた頬は赤く腫れ、口の端から血が滲む。
鉄の味。
「それになんだ?!そのチャラチャラしたナリは!! お前は私の息子なんだぞ! いい加減自覚したらどうだ!」
そのセリフを聞き終わる前にスッと立ち上がり背を向けた。
「こら! 京吾!どこへ行く! 話はまだ終わってないぞ!」
彼は怒鳴り声を背で聞きながらその部屋を後にした。