LOVE SONG
□第二楽章
1ページ/33ページ
響は打ち合わせのためSKYプロダクションの事務所に来ている。
「響、何か良い匂いだな。」
事務所の社長、鬼藤 正宗が響のいつもと違う香水の香りに気付いた。
「香水もらったから変えたんだ。」
マキからもらったRISKYの香水『Only One』。
「今までのより合ってる。すっげ爽やか。良いセンスの女だな。」
「まぁな♪」
「響!響〜!」
マネージャーがまた叫んでいる。
相変わらずでかい声。
「早く早く!
RISKYのCM始まるわよ!」
今日はあのCMの初オンエアの日。
「いいよ。俺、現場で散々見たし。」
「何言ってるの!
テレビで見てこそのCMでしょうが!」
響がCM出演をするのは実はこれが初めて。
音楽だけで売りたいと歌番組以外は出演してこなかったのだ。
マネージャーは響を無理矢理テレビの前に座らせた。
そして響の曲とともにCMが流れ始めた。
文字や声が入ると感じが変わり、とても品があり、綺麗な仕上がりになっている。
さすが一流ブランドのCMといったところだろうか。
そしてラストの声が響の耳に残った。
「RISKY 『Only One』
あなたに伝えたい。
私の唯一だとー…。」