LOVE SONG
□第二楽章
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その言葉が離れない。
香水をくれたのは、もしかしたらマキも…などと小さな期待を持ってしまう。
居ても立ってもいられなくて、確かめたくて響はマキの家に来ていた。
来たのはいいものの、マキがいるのかどうかもわからないしエントランスの前でしばらく迷っていたが、意を決してインターホンを押した。
するとマキが出た。
「何?」
…冷たい反応。
部屋の中で姿確認が出来るのだろう。
甘い期待は瞬時に消え失せた。
「…とにかく上がってくれば?」
「いいの?」
「そこにいると目立つ。」
カチリと鍵の開く音がしたので扉を開けて部屋へ向かった。