蝶と蒲公英(中編完結)

色褪せて見える日常

立ち並ぶコンクリートの中

枷をつけられた両手には何もないと

笑うことも泣くことも
自分さえも忘れ


俺は都会を舞う蝶のように
安らげる場所を探し彷徨う


数十億の中で
出会った色鮮やかな花
この羽を休ませて

重い扉を開き
長い階段を駆け上がる


膝を抱えるだけの夜を越えて


灰色の街から抜け出そう

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