書物
□いつも傍らに
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最近は朝晩の冷え込みが一段と強まってきた。北国ではすでに雪が降り始めていた。
そして今日、甲斐の国にも初雪が降ってきた。
上田城の寝室前にて忍とその主が話している。
「いやぁ〜さすがに寒いと思ったら降ってきたねぇ」
「あぁ、さすがに今夜は冷えるな」
「火鉢でも持って来ようか?寒いと中々寝付けないでしょ」
「構わぬ。これしきの寒さ堪えねばならん!」
「まぁ、いいなら別にいいけど」
「うむ!明日も朝一でお館様と稽古だ!早めに休まねば」
と、言い、
布団に入るが、中はひんやりと冷えている。…すぐに寝付けそうにない。
「さ、佐助…」
「何?あ〜、やっぱ寒いんでしょ。」
「だから、な」
布団をめくり、手招きをする。隣に来いという意味らしい。
しかし、行ったら明日は足腰等辛い事になる。と瞬時に察した佐助はなんとか逃げるために
「いやぁ〜これからまだ一仕事しなくちゃいけなくてさ!忍はもぅ忙しいったら無いね!」
「ほぅ、某よりも大事な用か?」
「…まぁ、そうだね(汗」
「用は真田隊の者に任せる故、お主は心配せんでいいぞ」
「…そうですか」
何ともあっさりと交わされて仕舞った。
また、この主には素直に従わなければ後が怖い。一体何をされるか、わからないのだ。
(はぁ〜本当、貴方には敵わないよ)