書物
□籠
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首から腹、背中へ、腰から腿まで至る所に小さな傷…
所々鬱血、引っ掻いた後とか色々ある。
その傷が塞がる前に、今日もまた一つ、二つと増えいく…
「はぁ、佐助っ…!」
「っ、痛っ…ちょっと旦那ぁ〜、加減してよ!」
「ほぅ、佐助は少し痛みを感じるくらいが、良いのではなかったかな?
」
「やっ!んぁ…違っ…」
行為の最中にいつも言っているのに、旦那はちっとも聞いちゃいない。
むしろ嫌がれば、嫌がるほどに酷くなる。
ガリッ
肩に噛み付かれた。骨までかみ砕きそうな強い力が恐くなって、思わず悲鳴を上げた。
「ひぃぃっ!ぅぁあ、ひぅっ…」
「あぁ、血が出てしまったな。」
肩から血が一滴、つぅ−と流れてきた。それを旦那は舌で舐めとってた。
その動作は、先程までと違ってゆっくりと優しい。
「佐助、痛むか?」
当たり前でしょ!文句の一つでも言ってやりたい所だけどねぇ…
体を撫でる、その手が
名前を呼ぶ、その声が
重なる熱い、その体温が
気持ちよくて
「幸村様…もっと、して下さい…」
貪欲に、また求めてしまうんだ。
−end−