書物

□上田城のある一日
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上田城内にて

ドドドドドドドド…

「ぅおおおぉぉ!佐助ぇぇ!!何処に逃げおったぁぁ!」

「…はぁ、やれやれ参ったなぁ」




半刻前−
うっかり、お土産に貰った団子を食べちゃったんだよねぇ〜

本当、美味しくてついつい手が…なんてしてたら全部食べちゃってて!

こりゃ旦那に見つかったらヤバイなぁ〜って思ってたら…

はい、見つかって今、城内追いかけっこの真っ最中なのさ。





おぉ〜凄い走ってるなぁ。
でも、そう簡単には見つからないっしょ。

旦那に見つからないように、城内の木々を移動してるんだもんね。



さて、ちょっと此処らで休憩でもしようかな



なんて思ったら旦那が突進してきた!
えっ!?う、嘘だろー!!


ド−−−ン!!



大木が折れたのだ。
間一髪、地面に叩きつけられる事はなかったけど…
これが俺の行く末ってか?
そんなの冗談じゃないっつーの!



「さぁ…観念しろ佐助」


黒いオーラを発しながら、じりじりと間合いを詰めてくる旦那に、気付いたら壁側まで追い詰められた!



「この場でおとなしく捕まるなら、仕置きは軽くなるぞ?…さぁ、どぅする?」






「…いいよ。幸村様にだったら、何されても…」


着物の裾を掴み、上目使い(涙ぐみながら)ウルウルとして、旦那を見る。


「うっ!!」



旦那の股間を直撃した!!前を押さえながら若干、前屈みになっている。

よし、今だ!

壁を軽く飛び越え、鳥に乗って城を離れる。




「なっなんと!卑怯だぞ!!佐助ぇ〜」


「悪いけど、これからお仕事なんだよね。
ちゃんとお土産買ってくるから、それで許してね〜」

「土産よりも、こっちを何とかしてくれ〜!!」


「あぁ、ごめんねぇ。俺様しばらく戻れないから〜
じゃあね〜」






ふぅ、なんとか逃げ切ったかな。
本当、食べ物の怨みって恐ろしいもんだね。特に旦那はね。

さぁ〜てお仕事お仕事、っと!


−end−




後書き
「いいよ、圭一クンになら何されても」
ひぐらし解A話のレナと圭チャンのあの場面です。
微妙なネタバレですみません!
 

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