書物
□口付けを、
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最近、戦続きで政務が溜まりに溜まっている。
今日も一日、事務作業で終わった。
政宗は夜が更けると早々に切り上げ、小十郎の部屋に潜り込んでいる。
しかし当の本人はまだ作業中だ。
「眠いぃ〜小十郎ぉ〜」
「でしたら布団に寝てください」
子供のように駄々こねてみたり、腰に腕を巻き付けてゴロゴロしても、この調子だ。
「Ha…相変わらずCoolだなぁ、小十郎ぉ〜」
「さっきからなんですか?絡んでないで寝てください」
「お前も一緒じゃなきゃ嫌だ」
「…じゃあ待ってて下さい。もう少しで終わらせますから」
「ん〜」
半刻ほど経っただろうか…
その間、部屋はとても静かだった。要因は政宗が大人しくなったからだ。
だが、政宗が騒がしくないのも落ち着かない。
今だに腰に巻き付く主を覗き込むよう、体を傾け
「もぅ、お休みになられましたか?政宗様」
ガバッ!
「終わったのか!?」
「ぅおっ!!」
寝てると思っていたら、政宗が勢いよく起き上がってきたものだから
ゴッチーン!
正面衝突してしまった。
「ってぇ!!Ah〜お約束な事しちまったなぁ」
「
全く‥その前に言う事があるでしょう」
「sorry…小十郎」
「宜しいです」
ヒリヒリと痛む箇所を押さえながら、ゆっくりと小十郎が立ち上がり
「さぁ、もぅ寝ますよ?」
政宗に手を差し出し、起こそうとした。しかし
「嫌だ」
「…今度は何ですか?」
「さっき打った所が痛いんだ。小十郎がKissしてくれたら治るかも」
「そんなので治りませんよ」
「気持ちの問題だって。ほら、早く」
「はい、分かりました」
髪を掻きあげ、
額の少し赤くなっている箇所に触れるだけの‥
チュッ
「治りましたか?」
「あ、あぁ///」
自分から言っておいて、やられたら思いの外、恥ずかしかったようだ。
政宗の頬が朱に染まる。
「政宗様、お顔が赤く‥」
「何でもない!」
ただ、政宗は照れているだけなのだが、
「はっ!もしや打ち所が悪かったのか!?
申し訳ございません!すぐにお休みになられて」
「Stop!Stop!!ちょっ、落ち着け小十郎!!俺は大丈夫だって」
「誠に、ですか?もしもの事があればこの小十郎、小腹を切って詫びる覚悟で!!」←懐刀を取り出す
「No−−−−!!小十郎がご乱心だぁぁぁ!!」
ここ最近、ご無沙汰だったものだから
今夜こそ!と政宗は意気込んで来たのだが…まさかこんな事態になるとは思いもしなかっただろう。
「小十郎−−−!!誰か止めてくれぇぇ−−!!」
End