書物
□遊び心で
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奥州筆頭・伊達政宗は今、
「政宗様ってば唇がカサついてますよ」
「確かに。そんなんじゃ、せっかく綺麗な顔してんのに魅力的じゃないねぇ〜」
政宗は今、奥方の愛姫と猫御前に挟まれ
「Ah〜?そんなの気にしてられっかよ」
「いぃ〜え!駄目です。
これからは男も身なりに気を配らないと」
「あ、そぅだ♪
ねぇ〜愛、コレ使ってみたらいいんじゃない?」
「それはいいですね♪猫ちゃん」
「な、何する気だ…愛、猫…」
奥方二人に遊ばれていたのだった。
そこへタイミングがいいのか悪いのか、真田幸村が訪れたのだ。
「政宗殿〜!」
「Hey!よく来たな幸村!」
「おぉ猫殿、ご機嫌でござるな」
「もぅ〜何よ。たまには騙されろよなぁ」
これも毎回の事で、よく入れ代わって出迎えて反応を楽しんでいる。
でも、最近は見分けができるようになってしまい、ちょっと残念だったり…
「ところで政宗殿は?」
「部屋にいるよ。早く行きなよ♪」
「はぁ…」
妙にウキウキしている猫御前を、不思議に思いながらも愛しき人の元に向かう。
「政宗殿、幸村でございます。」
「…あぁ、入れ」
「失礼します」
部屋入ると俯き、顔を伏せている政宗と
楽しそうに微笑んでいる愛姫がいる。
「私は下がりますね。あとはお二方で」
「かたじけないでござる」
「いいえ。では幸村様、ごゆっくり」
愛姫が退室し、二人っきりになった。
だが、政宗はまだ顔を上げないでいる。