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□災い転じて…
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いくら機械でも、
天変地異には敵わないです



なんだか最近、地震が頻繁に起きてますね、マスター
正直に言うと…恐いです。
どうしたらいいのか分からないし、突然だからすごく恐いです。


だから…





「マスター!!」


「だぁ!大声出さなくてもここに居るだろ!」


「…はい」




今、まさに大きな地震が起きたんです。
物が散乱して、立っていられない激しさ。

ようやく揺れが収まると、今度は停電。
部屋が真っ暗になって何も見えない状態に。



すぐそこに居たはずのマスターの姿も闇に溶けて、
見えなくなって…
不安に押し潰されそうになって、思いっきり叫んだら怒られました。凹みます。


体育座りでしょげているとふと、小さな明かりが灯り

「カイト、無事か?」


「は、はいっ!僕は大丈夫です!」


マスターが普段からは想像出来ない程、すごく心配そうな顔をしています。
…言ったらまた怒られそうですけど。




「良かった。のはいいが…とりあえず何か明かりになる物無いか?」


「え?懐中電灯とか蝋燭は無いんですか?」


「そんな物……無いな。」


「えぇぇ!?」




仕事は出来るのに生活能力0ですよ、マスター。
明かりになる物がライターだけだなんて…




「そういえば、アレあったかな?」


「マスター?どこ行くんですか?」


「お前はそこに居ろよ〜」




と言って、クローゼットの中を漁り始めたマスター。物が片寄った中で、何かを探しているようですが…
アレって何ですか?




「おぉ、あったぞ!」


「良かったですね!って、何がですか?」


「いいから黙ってろ」




暗闇の中、マスターが隣に移動してきて何かカサカサと音がしました。そして再びライターの火が灯った時




「これって…」


「アロマキャンドル。景品か何かで貰ったやつが残ってたんだ」


「いい香りですね。それに明るくなりました」


「そうだな。」





キャンドルの明かりを見つめながら、マスターに寄り添いました。
マスターは何も言わず抱きしめてくれました。電気が復帰するまで、ずっと。


天災は恐いけど、こうしていられるなら…
たまにはいい、ですよ?




End




ちょっと実体験を用いてみました。
地震で停電になった時、
懐中電灯の電池が切れて、代わりにアロマキャンドル使ったんです。

それがラベンダーの香りでふと気付いたら寝てました。( ̄▽ ̄;)
…無事でよかった(笑)
 

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