星矢短編小説

□おめでとうのカタチ
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【おめでとうのカタチ】
―アイオロスの場合―








「ハッピーバースデー兄さん!」
「アイオロス、誕生日おめでとう」
「おめでとうございます」
「おー!リア、サガ、シュラ!ありがとう!」
「はいこれ、今まで祝えなかった分の気持ちを込めて俺達3人からのお祝い」

 わさっ

「え?うわ、すごいな!花にケーキにご馳走に…」
「アイオロスのために用意したんだ。遠慮なく食べてくれ」
「いいのか!?やったー!いただきまーす!」
「………」(嬉しそうなシュラ)
「あ、シュラが笑ってる」
「アイオロス、その料理はすべてシュラが作ったんだ」
「もぐもぐ…そうなのか!すごいなシュラ!俺の好きなものばかりだよ!もぐ」
「アイオリアに聞いて…作ってみました。お口に合いますか?」
「ああ!すっごい美味いぞ!リアとサガも食べてみろ」
「ふふ…そうだな。いただくとしよう」

***

「お?どうしたリア?泣いてるのか?」
「いや…こうして兄さんの誕生日をまた一緒に祝えるのが嬉しくて…」
「はは、そうだな。これからは毎年できるぞ。勿論リアの誕生日も!」
「ああ、兄さん!」

 がしっ

「………」(つられて感動するシュラ)
「……よかったな…アイオロス、アイオリア」
「ああ…っ!す、すまない!いい年してみっともないことを…」
「いや、いい。こういう時くらい昔に戻っても誰も咎めはしない」
「サガ…」
「そうだぞリア。昔のお前はとっても可愛かった!」
「に、兄さん」

「いい年と言えば俺もようやく15かぁー」
「「「……え?」」」
「ん?いや、だから今日は俺の15歳の誕生日だろ?確かサガは俺のひとつ上だったはずだから16だろ?」
「「………」」
「に…兄さん…、兄さんは今日で28歳じゃないか」
「何言ってんだリア、俺が28だなんてそんなわけあるか。兄さん13も年とった覚えないぞー」
「「………………」」
「あれ?サガ?シュラ?」
「(やばい…!)」

 がたがたっ

「「アイオロス!!」」
「わっ?」
「本当に…本当にすまなかった!」
「え?」
「世話になった恩人に手をかけるような真似をして本当に申し訳ありません!!」
「え?え?」

「シュラ、元はと言えばすべては私が悪いのだ。お前が謝る必要は」
「いや、命じられたとして実行したのは紛れも無く俺なんだ。自分の意志だ…」
「え?え?え?」
「サガ、シュラ、兄さんも俺ももう気にしていないし謝るのはその辺に…」
「いいや!私は親友を裏切るだけでなく大罪を犯したのだ!アイオロス、許されるのなら殺してくれてもいい。私はそれを甘んじて受け入れよう」
「俺も、サガと同じ気持ちだ…この身好きなようにしてくれていい」
「お…おぉ…?」








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