小川のせせらぎ
□ゆめうつつ
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「樹蘭さん寝た…?」
そう言いながら華奢い体の若干天然キャラが俺の寝てる布団に入ってくる。
相手してやっても良いんだけど暑い。
それに増して眠い。という事で寝たフリ決め込んで無視する事にする。
欲には従順。
「樹蘭さん…」
何この甘えよう。
服握ってクィクィってちょっと控え目に引っ張って来やがった。
そんなんしても駄目なもんはダメです牡葉くん。
あ、寝そう…ララバイ現実!
「………」
ゴソ。スルッ。
??!
ちょ、足、足絡まってる。
つかひっついてきたんやけど、
あー…
ウ ザ イ。
「………暑い」
「!あ、起きた?」
起きたじゃねーよ寝かせろよ。
とか思うんやけど振り返った瞬間嬉しそうな顔。
いや、いや華奢な体でも男。
男なんやけど。
か わ い い じ ゃ ね ぇ か チ ク シ ョ ウ 。
「樹蘭さん…?」
無理やり髪を掴んだ瞬間顔色が変わる。
ちょっと怯えた表情もたまんない。
いやそうじゃなくて。
「よい子は寝る時間だべ。」
「えー…」
「そんな不満そうな声だしてもだめです。」
掴んだ頭を抱え込んで腕枕。
だから眠いんですってば俺は。
牡葉もほっといたら五月蝿そうだから道連れで寝かしつけよう。うん。
「樹蘭さん。」
「何。」
腕の中すっぽり収まりながらまだ何か言いたそうに牡葉くんが呼んでくる。
目を閉じたまま返事をしてやったら、少し拗ねた牡葉の顔が浮かんだ。
「 」
耳元に感じた吐息、言葉の持つ意味を理解した途端驚いて目を開いたら腕の中で言葉の主は俺に背を向けとった。
腰に腕を回してグイと引き寄せる。
一瞬体が強張ったのを感じて背中からすっぽり抱いてやり同じように耳元に唇を寄せる。
「俺も好き。」
ニンマリと片口笑い。
ポカンとしたボケ顔で振り返った相手には丁度良いかな。