長編
□君との別れは、
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薬草をリュックに詰めたあと、かごめは笑顔を保ったまま犬夜叉へ目を向けた。
「さっきはごめん。
御神木に行こっか。」
「・・・かご」
「早く。お願い。」
心配そうにこちらを見てくる楓を安心させるように小さく頷き、かごめは小屋を後にした。
2メートルほど離れて着いてくる犬夜叉。その沈んだ顔。
(大丈夫だよ。全部、リセットするから。)
心の中でそう言って、胸元で手を握る。
(今度は間違えない。)
全て最初から、やり直そう。
御神木に着くと、かごめはその木の根本に犬夜叉を立たせた。
「何・・・」
彼が口を開くと同時に、かごめが声を張り上げた。
「犬夜叉は今、封印されています。」
「・・・は?」
突拍子もない言葉に、彼は当然目を丸くする。しかしかごめは構わず続けた。