長編

□感情分裂
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小屋では二人が干し芋(ポテトチップス)を食べていた。犬夜叉の注意が干し芋へ向いていることを確認し、さっと葉に包んでいた薬をお茶に流し込む。


「七宝ちゃんおかえり。」


かごめに声をかけられビクッとしたが、バレてはいないようだった。ほっと息をついて犬夜叉がお茶を口にするのを待つ。

七宝の思惑通り、彼は湯呑みへと手を伸ばした。


「これ食ってると喉渇くんだよな。」


もう少しで茶に口が触れる──と思ったその時、かごめが急にゴホゴホと咳き込み始めた。
干し芋が気管に入ってしまったらしくなかなか咳は止まらない。

犬夜叉は慌てて彼女の背中を擦り、手に持っていた湯呑みを差し出した。


「これ飲んで落ち着け。」

「ケホッケホッ・・・ありがとう。」


ハッとする七宝だったが、止める間もなくそれはかごめが飲み干してしまった。


(あああー!!)


声こそ出なかったものの、口はぽかんと開いて塞がらなかった。


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