長編
□君との別れは、
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あの日から、言霊も喰らっていない。
本当は喜ぶところなんだろうが・・・
そんなふうに思えない。
『おすわり』を言われるためにわざと、何もしていない七宝を殴ったことがあった。
案の定、七宝はかごめに泣きついて。
かごめはうんうん、と頷くだけで、
俺に怒らなかった。
逆にそれが怖かった。
「──犬夜叉」
ふいに、後ろから香の匂いがした。
「弥勒・・・」
──────
「いつまでこうしているつもりだ。」
・・・弥勒は、珊瑚と交互に説教(本人曰く「相談にのっている」)してくる。
謝れ、とか
話し合え、とか言うけど、
今回ばかりはそんな簡単なもんじゃねえんだよ。
「・・・仕方ねぇだろ、かごめが俺のこと避けてるんだから。」
言葉にすると、チクリと胸が痛む。
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