長編

□君との別れは、
1ページ/8ページ




あの日から、言霊も喰らっていない。
本当は喜ぶところなんだろうが・・・
そんなふうに思えない。
『おすわり』を言われるためにわざと、何もしていない七宝を殴ったことがあった。

案の定、七宝はかごめに泣きついて。
かごめはうんうん、と頷くだけで、
俺に怒らなかった。

逆にそれが怖かった。



「──犬夜叉」


ふいに、後ろから香の匂いがした。


「弥勒・・・」



──────


「いつまでこうしているつもりだ。」


・・・弥勒は、珊瑚と交互に説教(本人曰く「相談にのっている」)してくる。

謝れ、とか
話し合え、とか言うけど、

今回ばかりはそんな簡単なもんじゃねえんだよ。


「・・・仕方ねぇだろ、かごめが俺のこと避けてるんだから。」


言葉にすると、チクリと胸が痛む。

.

次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ