長編

□君との別れは、
1ページ/8ページ




重たい足を引きずり小屋に戻った犬夜叉を待っていたのは、泣きじゃくる七宝だった。

なんとか落ち着かせようと楓が背中を撫でているが、涙が止まる気配はない。

七宝は犬夜叉に気付くとさらに泣き声を大きくし、嗚咽とともに何度も繰り返した。


「犬夜叉のせいじゃ、犬夜叉のせいじゃ。」


と。

その台詞だけで、大体何があったのかは想像できた。


「かごめに会ったのか。」


その小さな手が、犬夜叉の足をぽかぽかと殴る。


「ばかもん、かごめに何てこと言わせるんじゃ!おらはあんなかごめを見たくない!」


うわああん、と泣き叫ぶ七宝。


「・・・何て言ってた。」

「きらいだ、と繰り返しておった・・・!犬夜叉、お前のことじゃ!・・・えっく・・・」


嗚咽の止まらない仲間を見ながら、彼はわかってらあ、と呟いた。ひどく覇気のない声で。


次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ