長編
□君との別れは、
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重たい足を引きずり小屋に戻った犬夜叉を待っていたのは、泣きじゃくる七宝だった。
なんとか落ち着かせようと楓が背中を撫でているが、涙が止まる気配はない。
七宝は犬夜叉に気付くとさらに泣き声を大きくし、嗚咽とともに何度も繰り返した。
「犬夜叉のせいじゃ、犬夜叉のせいじゃ。」
と。
その台詞だけで、大体何があったのかは想像できた。
「かごめに会ったのか。」
その小さな手が、犬夜叉の足をぽかぽかと殴る。
「ばかもん、かごめに何てこと言わせるんじゃ!おらはあんなかごめを見たくない!」
うわああん、と泣き叫ぶ七宝。
「・・・何て言ってた。」
「きらいだ、と繰り返しておった・・・!犬夜叉、お前のことじゃ!・・・えっく・・・」
嗚咽の止まらない仲間を見ながら、彼はわかってらあ、と呟いた。ひどく覇気のない声で。