長編
□君との別れは、
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「かごめ!」
バンッ
戸を突き破って楓ばばあの小屋に乗り込んだ。
けど、
そこに居たのは目を丸くする楓ばばあと、弥勒、珊瑚、七宝。
かごめは───いない。
「こら犬夜叉、戸を直せ!」
怒鳴ってくる楓ばばあは無視。
(かごめがいねぇ・・・)
ふんと鼻を鳴らすと、森の方からその匂いがした。
多分、御神木。
「七宝、代わりにやっとけ!」
壊れた戸のことは任せて俺は再び走り出した。
懐で揺れる数珠の音に、緊張感が高まる。
御神木に近付くにつれて、足が重くなった。