短編

□静かな夜の出来事
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タンッ───


鋭い矢が的の真ん中に突き刺さった。


「うん、今日は調子いい!」


満足げに汗を吹くのは、弓道部の次期部長、日暮かごめ。


「・・・ちょっと遅くなっちゃった。」


彼女は毎日ギリギリまで自主練習に励んでいる。
そして今日もいつものように道具を綺麗に片付け、部室の鍵を閉めた。

携帯で時刻を確認すると、おそよ7時30分。

あんまり帰るのが遅くなると母親に心配されるから、と、自然に歩調が早くなる。

自転車置き場まで来ると、珍しく人影があることに気づいた。


(誰だろ、こんな時間に・・・)


近付いて行くと、人影はかごめに気付き、小さく手を上げた。


「おう、日暮。」


その声にピンときた。


「・・・朔牙くん?」


人影は彼女と同じクラスの朔牙犬夜叉だった。
席が離れているため普段はあまり会話しない。

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