短編
□秘密の恋心
1ページ/11ページ
「日暮」
少し掠れた声で呼ばれたら、私はどうにかなってしまいそう。
綺麗な髪、
金色の目、
全てが私を虜にする。
こんな感情、持ってはいけないのに。
私は先生に、
恋している──
廊下を歩いていると、後ろから誰かに呼ばれた。
「副会長〜!」
走って来たのは同じ生徒会の、弥勒様。
手には大量の書類。
・・・また仕事が増えそう。
「会長、今度はなんの仕事ですか。」
「戦国祭の原案作りですよ。」
戦国祭。
戦国高校の学校祭を皆略してそう呼んでいる。
確か毎年の担当教師は・・・
「奈落先生からですか?」
私の脳裏には増えるワカメのような髪をした男が浮かぶ。
.