短編

□ちょっと気になる喧嘩友達
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「ワンワンワン!」
「フニャーッ!」


道端でたまに見かける野良犬と野良猫のケンカ。人にはわからないかも知れないが、動物だって会話している。

だから動物にだって、人間の恋愛と同じようなドラマが存在しているのだ。








「うるせーんだよ性悪猫!」

「そっちこそ、このノミ集り犬!」


先ほどから吠え合っていたのは、野良猫とは思えないほど綺麗な毛並みをした黒猫と、金色の目をした白い犬。

二匹はどうも馬が合わないらしく、初めて顔を合わせた時からこんな調子だった。


「てめー、猫のくせに。」

「その顔引っ掻いてやるわよ。」


長い爪を構える黒猫に対し、牙を光らせ唸る犬。だが二匹はどんなに激しい口喧嘩をしても、互いの体を傷付けたことはなかった。


「・・・バカらしい、やめた。」


必ずどちらかがそう言って終止符を打つのだ。今回その役目をしたのは猫の方。


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