短編

□挑発
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犬夜叉とかごめはいつものように並んで下校していた。話題は“行ってみたい所”。

犬夜叉は「別に」と一言。あきれたようにかごめは肩をすくめた。


「つまんない奴ね。」


すかさず眉をつり上げ犬夜叉は隣の彼女をじとっと見つめる。


「そういうお前はどこに行きたいんだよ?」


そう言われ、かごめは少しの間考えこむ。そして甘えるように彼の腕に自分の腕を絡めた。


「犬夜叉の家行ってみたいな。」


上目遣いでとんでもないことを呟いたかごめ。しかし犬夜叉は全く動揺していない。こんな会話はもう何十回もしているからだ。

今日もいつものように大きくため息をつく。


「だから駄目だって何度も言ってんだろ。」

「部屋が汚いのなんて知ってるわよ。」

「そういうことじゃねーよ・・・」


一人暮らしの男の家へ遊びに行くということに、彼女はどうも危機感が持てないらしい。特に相手は付き合ってから今までずっと清い交際しかしていない犬夜叉。彼が日々理性と戦っていることを彼女が知ったらどう思うのだろうか。


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