短編
□彼はマニアック?
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浮気騒動から一週間。
犬夜叉が言っていた「お仕置き」のことなんて、かごめはとっくに忘れていたのだが──
「メイドになれよ」
そう突然言われてしまった。
思い切り否定したもののどうやら諦める気は無いようで。自分に否があったのは確かだったため、かごめは渋々了承したのだった。
「犬夜叉、何食べに行こっか。」
「敬語使え、敬語。あと呼び方。」
「・・・ご主人様、何を食べに行きましょうか?」
朝からずっとこの調子だ。
友人には散々からかわれ、先生からは冷たい視線を浴びせられ──ついに放課後。
今はいつものように街でデートをしているわけなのだが、彼からの“お仕置き”中のため周りの人からものすごい目で見られている。
かごめは恥ずかしくてたまらなかった。確かにこれは何よりも辛いお仕置きだと頭を抱える。
犬夜叉はそんな彼女を見て見ぬふり。
某ファーストフード店を指差した。
「ハンバーガーでいいだろ。今日金ねえし。」