長編

□雨の味
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彼女は至って真剣だった。
じっ・・・と彼の目を見つめる。


「学校行くって・・・本気か?辛くなるだけじゃねーか?」

「大丈夫よ、朔牙くんの傍にいるし・・・お願い、一緒に行かせて。」


袖を握る手に力を入れた。


「・・・・・・」


犬夜叉が心配していることは他にもあった。

自分が彼女に話しかけることで、周りが自分のことを変な目で見ないか、ということだ。

しかしかごめはそんな心配はお見通しらしい。


「朔牙くんには必要なこと以外で話しかけないから・・・」


お願い、と手を合わせる。


「・・・まぁ、俺が断れるようなことじゃねぇし。」


犬夜叉は了承すると、かごめは笑みを浮かべた。



朔牙くんには必要なこと以外で話しかけないから───そう言いながらも、登校途中、彼女は何かあるたびに犬夜叉の袖を引っ張った。


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