長編

□雨の味
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一週間後───




なんだかんだで結局かごめはまだ犬夜叉の家に居た。
本体へ戻れる様子も、ない。

寝起きの悪い彼を起こすことと、朝食と弁当を作るのが彼女の朝の仕事。

二人で学校へ行き、5時頃に下校。

夕飯も掃除も、家事はほとんどかごめがやっていた。

「なんかもう、このままで良いかも。」


学校が終わり家に着くと、彼女は息をついた。


「このままでいいって・・・何がだよ。」


彼は眉間に皺を寄せた。
主語を言え、主語を。と念を押す。


「私の体はもう・・・十日以上意識を取り戻さないんでしょ?・・・そしたらいっそのことこのまま、魂で暮らすのも良いかなぁ、なんて。」


微笑した彼女に、彼ははっきりと言った。


「バカ。何弱気になってんだ。かごめらしくねぇぞ。
それに、お前の体が意識を取り戻さないまま、ずっと生きていけるなんて・・・」


そこまで言ってはっと口をつぐむ。

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