長編
□雨の味
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「私、死んじゃったの。」
翌朝、彼女から突然告げられた言葉に、犬夜叉は言葉を失った。
先程まで閉じそうになっていた目を見開き、口を動かす。
が、驚きのあまり言葉が出てこない。
そんな彼にかごめは慌てて付け足した。
「夢よ、夢。」
途端に、犬夜叉は金縛りが解けたように体から力が抜けた。
ぐしゃ、と頭を掻く。
「んだよ、焦らせんな・・・」
「ごめんね、けどあんまり現実味があったから・・・」
彼女は一呼吸おいてから続けた。
「予知夢、じゃないかな・・・って。」
「よち・・・む?」
犬夜叉は首を傾げた。
そんな彼にかごめが説明する。
「簡単に言えば、夢で未来を見ること。」
すると、彼は眉間に皺を寄せた。
「つーことはかごめ、自分が死ぬと思ってんのか?」
「ん、ちょっと・・・ね。その時が来たら、泣いてくれるかな、犬夜叉。」