キリ番
□彼と彼からの贈り物
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「かごめは俺の女だ!」
「ふざけたことぬかしてんじゃねえー!」
毎度お馴染みの喧嘩。よくもまあ飽きずにいるものだとそれを見ていた弥勒達は失笑する。
一通りお互いを罵り合った後ついに犬夜叉が刀に手をかけ、鋼牙が指をバキバキと鳴らした。そこでやっと話題の中心である少女が痺れを切らし間に割り込んだ。
「犬夜叉おすわり!鋼牙くん、ケンカばっかりしてる人は嫌いよ!」
本当はこんな仲裁の仕方など彼女はしたくないのだが。犬と狼は周りの迷惑など考えていないらしく自分達で穏和に解決することが出来ないためしょうがない。
轟音と共に地面に沈んだ犬夜叉は我に返り恐る恐る顔を上げた。鋼牙はというとよっぽど怖かったらしく全身の毛は逆立ち尻尾はくるんと内側に巻き込まれている。
「か、かごめ・・・・・・」
自分の名前を呼ぶ二人の男の声には答えず少女はフイと顔を背けた。それでも情けなくその名を連呼する姿に珊瑚は一言「アホらしい」と呟く。隣にいた弥勒も肩を竦めた。