キリ番
□特別な瞳
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絶世の美男子が来た。
村の若い女達の会話はそれで持ちきり。肩までついた髪が良いだの、細身の長身が素敵だの。そして何よりも注目を集めているのは、
「わあ〜・・・綺麗な瞳。」
透き通るような青い瞳。
かごめは薬草を採りに行く途中で、偶然その青年を見つけた。
何かを探しているようにキョロキョロと辺りを見渡していた彼。
首を傾げてあきらかに困っている人を、かごめが放っておくはずがなかった。
そして声をかけ、驚いたのだ。
完全な人間である彼が、青い瞳を持っていることに。
「ああ、これですか。生まれつきなんですよ。」
青年はニコリと笑い、その目を細めた。その顔の美しいこと。
思わず見とれてしまったかごめだったが、すぐに我に返って村に何か御用ですか、と問った。
彼は思い出したように手を叩く。