キリ番

□不安にさよなら
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最初は、ヤキモチ程度だった。

若い女の子達が村を守ってくれる犬夜叉に熱い眼差しを送るようになったのはつい最近。半妖だからって差別もされずにこうして色んな人から頼られ、好意を持たれることはすごく素敵なことだと思っていた。

それなのにこの気持ちはなんだろう。

今は胸の奥がもやもやして、頬を染めた村の女の子に野菜をもらってくる犬夜叉を見るとうまく笑顔を作れない。


「余裕がないから・・・」


口にすることによってますます自覚する。私には余裕がないんだ。犬夜叉が誰かに持っていかれずに、ずっと私を愛してくれるという自信が持てない。故に些細なことでヤキモチを妬いてしまうし、それを越えて嫉妬だってする。


「こういうのって、溜め込む前に打ち明けた方が良いよね。」


じゃがいもを切りながら、犬夜叉にどう言ったら良いのかと考える。こんな子供っぽいヤキモチなんて呆れられそう。


「痛っ!」


突然人差し指に鋭い痛みを感じた。そこを見ると赤い線が出来ていた。次々と血が流れてくる。料理しながら考え事はするものじゃないと改めて実感した。


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