キリ番
□本当はいつも
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「妖力を強化するお札?」
とある村で、犬夜叉達は御払いのお礼として不思議な札を見せてもらった。
それは紫色の紙に何やら怪しげな文字や記号などが描かれていて、強い邪気にまとわれている。
「この札を貼った妖怪は妖力が何倍にもなると言われるんじゃ。例えば、ほれ。」
長老は箱から札を取り出すと、七宝の背中にペタリとそれを貼った。
途端に彼を覆う妖気が何倍にも膨れ上がる。
「体が熱いぞ!・・・うおお、狐火!」
七宝の手のひらからはいつもの小さな炎ではなく、青白い猛火が飛び出した。
その威力は圧倒的で、あまりの熱さに吹き出た汗を拭いながら珊瑚は小さく呟いた。
「す、すごい・・・」
再び腕を振り上げ狐火を出そうとした七宝。だが彼の背中に長老が回り込み貼ってあった札をすばやく剥がした。
「狐・・・あれ?」
一気に妖気が消え、ケロッとする七宝。
札を貼られている時の記憶は無くなるらしい。だからこそ札は恐ろしいものだった。それを使えばおとなしい妖怪に人殺しをさせることだって可能なのだ。