短編U

□一周年&10万HIT!
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☆犬夜叉とかごめが入れ替わったようです。



「おお……!」

感動しながら胸元をちらっと覗くかごめの姿をした犬夜叉。対して、

「何してんのよ!」

真っ赤になりながらそれを阻止する犬夜叉の姿をしたかごめ。その状態で女言葉を使うというのは端から見ればなかなか気持ちが悪い。

犬夜叉はいつもとは違う、細い女の指先を見つめながらニヤリと笑った。

「別におれの見たっていいんだぜ。」

彼は冗談のつもりだったのだが、かごめは笑うどころかブチッと何かが切れるのを感じた。

「犬夜叉おすわり!」

いつもならこれで犬夜叉が潰れ、一応場は丸く収まるのだが……当然ながら今は入れ替わっているため、言霊は効かない。

「かごめ。」

──おすわりって、どれくらい痛いのかしら……

かごめは怖い顔をして近づいてくる犬夜叉に覚悟を決め目を閉じた。

が、自分を包んだのは痛みではなく甘い香り。

「ばーか、お前を傷つけるわけないだろ。」

そう言って笑う犬夜叉は、姿は確かに“かごめ”なのだけれど──彼女の目には間違いなくその奥に“犬夜叉”が見えた。

彼は不本意ではあるがかごめの後頭部を掴んだ。自分の姿に口付けをするというのには些か抵抗がある、が。

(中身はかごめ、中身はかごめだ……)

そう強く念じ、瞳を閉じる。
いつもよりちょっと浅い口付け。そのまま目を開けると驚いたことに本物のかごめの顔が目の前にあった。

「……戻った。」

あんまりにもあっさりと戻ったものだから安心すると同時にかごめは拍子抜けする。

「管理人が満足したってことだろ。」

犬夜叉は嬉々としてそう言うと改めて口付けを交わした。先ほどよりずっと深く。

「やっぱこうでなくちゃな。」

自分は自分で、かごめはかごめとして生まれて良かったと思う犬夜叉だった。



end
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