短編U

□かごめかごめ
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子供達が輪になって歌いながら回っている。きゃあきゃあと楽しそうに遊ぶ様子にかごめは口許が緩んだ。
本当は御払いを終え小屋に帰る途中だったのだが、思わず足が止まる。そして無意識に輪の中心の女の子を幼い頃の自分に重ねていた。

その時、一人の男の子がかごめに気付きパアッと顔を輝かせた。


「かごめ様、かごめかごめやろうよ!」


彼の声で他の子供たちも彼女の方を見、あっという間にその周りに群がった。キラキラとした笑顔に囲まれかごめは優しく目を細める。


「いいわよ。じゃあここに入れてもらおうかな。」


男の子の手を握り、かごめは子供たちと一緒に歌いだした。


「かーごめかごめ、籠の中の鳥は・・・・・・」


皆が楽しく遊んでいる。

その姿を気にくわなさそうに見ている者が居た。御払いをしている時からずっとかごめの後を追っていた犬夜叉だ。彼は木の上でバランスよくおすわりの体勢を保って愛しの彼女の両脇にいる男の子を睨み付けている。


(手繋いでんじゃねえよ。)
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