短編

□今日が過ぎても
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愛しい彼女が現代から戻って来てから数日後。

犬夜叉には新しい日課が出来つつあった。


日もすっかり落ち、仲間もそれぞれの小屋へと戻る。
森では妖怪が行動を盛んにする、夜。


「かーごーめー。」


狭い小屋には二人の男女。
犬耳の生えた少年と、
巫女服を着た少女。

いや、彼女は3年前よりも少し大人びていて、すでに「女性」と言えるかもしれない。


「もう、近くに居るんだからそんな大声出さなくたって聞こえるわよ。」


呆れたような口調だが、彼女の表情はやわらかい。
布団の上で胡座(あぐら)をかき、両手を広げる夫。
愛する者が傍に居ることが、
ただ、幸せだった。

3年の間、夢にまで見た幸せな未来がここにある。


「明日は?妖怪退治の依頼あるの?」


彼の腕に飛び込み、かごめは胸元に頬をあてた。

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