短編

□見上げた空には
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空を眺めている時の

あなたが

怖い







一行は寺の前で雨宿りをしていた。


しとしとしと・・・


強い雨ではなかったが、珍しく犬夜叉が足を止めたので皆それぞれ休息をとることにしたのだった。

珊瑚や弥勒は門の下で道具などを整理している。
七宝と雲母は仮眠を。
かごめは膝を抱え、向かいに立つ大きな木を見上げていた。

そこには、彼がいるから。


犬夜叉は一人雨があたる木の上で空を眺めていた。

長い髪から雫が滴るのも気にせずに、

切ない目で、

ただ じっと・・・暗雲に埋め尽くされた空を。


普段自分には絶対に見せないその表情に、膝をかかえた少女はひどく落ち込んでいた。


(また、桔梗か・・・)


腕を組み空を見上げているのがその証拠。


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