短編
□会、聞、抱
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「おすわり!・・・いいわね?絶対に、来ないでよ!」
───なんで私、あんなこと言っちゃったんだろ・・・
此処、現代に来てからも何度ため息をついたかわからない。
それほどまでに、後悔していた。
彼に言霊を言い、さらには来るなと念を押してしまったこと。
口ではあんなふうにしか言えないけれど、本当は・・・
「迎えに来て欲しい、なんて・・・言えるわけないわよね。」
独り言に「そりゃそうだろ」とでも答えるように、教科書の上で理解し難い数字が楽しげに舞う。
私はこれを解くために帰って来たのね・・・。
「なんなのよもう。」
苛々を解消するように、それに消しゴムをかけた。